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自動詞と他動詞の見分け方が難しい6つの理由

Update :

受動態が難しい 5つの理由

 

自動詞と他動詞の見分け方が難しい6つの理由

 

こんにちは!大阪市福島区の英語塾『福島英語塾』講師の犬伏です!

 

「自動詞」と「他動詞」という言葉を耳にしたことはありますか?聞いたことはあるけれども、今一つわからない・・・。そんな方に向け、このブログでできるだけわかりやすく解説していきます!

犬伏先生
犬伏先生

 

 

それでは結論から。自動詞と他動詞の見分け方は「目的語」を取るか取らないか、です。「目的語」なんて専門的な言葉を使われると難しいですか?それでは具体例で考えましょう。

 

I’ll buy…
私は買います。

 

え?何を?ってなりませんか?「I’ll buy.」とだけ言われても何を買うつもりなのかわかりません。そこで「その本を」という言葉を入れてみましょう。

 

I’ll buy the book.

 

こうすると「私はその本を買います。」と意味の通じる表現になりました。こんなふうに動詞の意味を考えて、そのすぐ後ろに名詞を必要とする時、その動詞のことを「他動詞」というんです。

 

それに対して自動詞は目的語をとらない動詞。これも具体例で考えてみましょう。

 

The baby is sleeping.

 

「sleep」という動詞だけで終わっていて、「sleep」の後ろには何も単語が来ていません。こんなふうに目的語をとらない動詞のことを「自動詞」と言います。

 

だから結論、自動詞と他動詞の違いというのは目的語をとるかどうか、だけなんです。

 

しかーーし!!!!!

 

こんなに単純だったらそもそも自動詞と他動詞の見分け方がわからない、なんてことになってないんです。見分け方が難しいのにはちゃんと理由があって、ケースバイケースで見分けのつきにくいものがたくさんあるんです。

 

だから、自動詞と他動詞を説明する上では、この見分けの難しいケースについて知っていることが自動詞・他動詞の理解を深める上で必要不可欠だと考えます。

 

今回はこの見分け方の難しい6つの理由を取り上げていきます。

 

動詞の見分け方が難しい6つの理由

 

自動詞・他動詞の見分け方が目的語を取るか取らないか、の違いであるということは理解していただけたと思います。ただ実際にいろんなケースを目にするとやっぱりわからない・・・っていうのがたくさん出てくるんですよね。

 

だからこそ、その辺りの不安を取り除くためにも以下の「自動詞・他動詞の見分け方の難しい6つの理由」を読んでみましょう。

 

理由その1:自動詞・他動詞の両方で使える動詞がある

 

まず基本の説明の時点で自動詞・他動詞の違いは「目的語を取るか取らないか」と伝えました。これに間違いはないのですが、この知識を受け取る側に誤解を生じさせる可能性があるんです。

 

自動詞と他動詞の違いは「目的語を取るか取らないか」と伝えると一定数の人が、動詞ごとに自動詞・他動詞は決まっている、と考える人が出てくるんです。

 

例えば、「eat」という単語を「食べる」という意味だから何を食べるのかが気になる。目的語を必要とするから「eat」は他動詞だ、と考えるわけですね。これは間違いではありません。

 

間違いでないだけに常に「eat」は他動詞だと考える人がいます。でも「eat」は「食事をする」という意味もあって、自動詞として使えるんです。

 

動詞の中には自動詞・他動詞の両方を使えるものもあることをお忘れなく。これを落としている人、本当に多いです。

 

ところでこの自動詞と他動詞の使い分けはどうしているんでしょう?例えば、文脈で考えてみましょう。

 

Hey, what are you eating now?

I’m eating pizza right now.

 

今何食べてるの?

今、ピザ食べてるところだよ。

 

相手は何を食べているのか聞いている文脈なので、「何を」食べているのか答えないと会話にならない文脈ですね。こういう場合は「ピザ」というように目的語を取る必要のある他動詞。

 

それでは以下の文脈ではどうでしょうか?

 

Hey, what are you doing now?

I’m eating right now.

 

今何しているの?

今、食事中だよ。

 

相手が聞いているのは何をしているのかであって、何を食べているかまでは求められていません。そんな時は「食事中」とだけ伝えても差し支えありませんね。自動詞で「eat=食事をする」という使い方で問題ありません。

 

こんなふうにまずは動詞の中には自動詞でも他動詞でもどちらでも使えるものがある、という認識がとても重要です。ここまで読めば理解していただけましたね?

 

ではどちらの使い方もできる動詞を以下にリストアップしておきます。

 

他動詞 自動詞
read books read
drive a bus drive
cook dinner cook
do homework do well
write novels write
live my life live in the suburb
open the door open
close the gate close
stop the car stop
run a company run
sing a song sing
leave me alone leave
grow crops grow
break my heart break
speak English speak
win the trust win
play the guitar play outside
return the book return
continue the game continue
call the police call

 

理由その2:そもそも意味がわかっていなければ判断できない

 

自動詞・他動詞の見分け方が難しい2つ目の理由は、そもそも単語の意味がわかっていないからです。例えば「cleave」という単語の意味を知っていますか?ものすごく難しい単語だと思うので、わからない方が多いのではないでしょうか?

 

そしてごく当たり前なことなのですが・・・意味がわからないと使い方も予測ができません。

 

それでは「cleave」とはどういう意味かというと、これは「(斧などで薪など)を割る」という意味です。意味が分かれば予測もつきます。「割る」だけでは何を割ったのかがわからないので、「cleave」という単語は他動詞として使うことができます。こんな感じですね。

 

I’m cleaving a log with an axe.
斧で薪を割っています。

 

ちなみにここが落とし穴でしたね。人は最初に見たものを過信しすぎてしまうことがあると思いませんか?つまり、「cleave」=他動詞だ、って結論付けてしまってませんか?

 

実はこの「cleave」、自動詞の使い方もあります。

 

An owl is cleaving through the darkness.
ふくろうが暗闇を切り抜けていってる。

 

「cleave」は元々「(薪なんか)を割る」という意味合いが文字通りの意味ですが、そこから比喩的な意味合いで「切り抜ける」というような意味でも使われます。こういう使い方の時には「cleave through」という使い方もできるというわけです。

 

これを読んでいる方はこう思ったかもしれません。

 

いや、それ見たことなかったら、わからんやん

 

うん、まさにそこなんです。

 

自動詞と他動詞の基本を分かっていたところで実際の使い方を見てなかったら、完全に自動詞・他動詞の見分けなんて不可能なんですよ。

 

この状況だけでも分かっていただけたら、「あ、ということは実際の例を見ていけば分かっていくことがあるんだな。」と前向きに勉強ができるんではないでしょうか?リーディングをすると力がつく理由はここにあったりします。

 

とりあえずわからなくてもたくさん読んでいくと、言葉の使い方にはたくさん触れられるわけです。

 

ルールわかってないけど、なんか英語できる人っているでしょ?母国語的に英語を習得している人。そういう人はこういうアプリーチで「勉強」をしてきたんだと思います。

 

ということでここのまとめとしては「意味がわからなかったら判断もできません」ということです。単語、たくさん覚えてください。

 

 

理由その3:そもそも使い方を目にしたことがわからなければわからない

 

自動詞・他動詞の見分け方の難しい3つ目の理由はそもそも単語の使い方を目にしたことがないからです。

 

単語の意味が分かれば自動詞・他動詞の見分け方は推測できますが、究極的には動詞の使い方を知っていないといけません。

 

例えば、「go」という単語の意味はご存知だと思います。もちろん「行く」という意味です。また別に「visit」という動詞もご存知ですか?これは一般的に「訪問する」という意味でインプットしていると思います。ざっくり「~へ行く」という意味です。

 

この2つの動詞に意味上の差はほとんどありません。意味が同じなのであれば、同じように使ってもいいと思いませんか?でも残念ながらこの2つの動詞は一般的には使い方が違います。

 

「go」は「I go to school every day.」のようにgoの後ろに前置詞を持ってきていますね。この場合は自動詞です。それに対して「visit」は「I’ll visit my parents this weekend.」のようにvisitの後ろに「my parents」と目的語を取っていますね。つまりこれは他動詞というわけです。

 

ここで立ち止まって考えてください。この2つの例文を見れば、自動詞・他動詞の見分けは簡単につくと思います。だって後ろに目的語を取るか取らないか、だけが判断基準でしたもんね。

 

でも自動詞・他動詞がわからないと言っている人の中には動詞の使い方がわからないから自動詞・他動詞がわからない、と思っている人が一定数います。これは別問題です。

 

単語の意味を知っているだけでは自動詞・他動詞の判断はできません。実際に使われているところを見なければいけないんですね。多読多聴が大切な理由はこの辺りにあります。正しい英語をたくさん読んだり、聞いたりしてインプットを増やしていきましょう。

 

ちなみにですが、「visit」は日常で使われる頻度の高い使い方としては他動詞で使われますが、実は自動詞としての使い方もあるんですよ。これもそう言った表現に出会ったことがあるかどうかの差だと思います。

 

「visit with」で「お喋りする」というような意味合いです。まさに出会ってないと自分が使う時に判断できませんね・・・。

 

ということで、他にもこ目にしたことがなければ自動詞か他動詞かわからない動詞の例をここに列挙しておきます。参考にしてください。

他動詞 自動詞
approach Osaka subscribe to my YouTube channel
discuss the issue apologize to me for Ving
answer the question reply to the message
Our school graduates about 300 people every year.
*graduateには卒業させるという意味もあります。この使い方では他動詞です。
graduate from university
enter the building participate in
marry a woman of my dreams meet with a client
*meetには会議をするという意味もあります。この意味では自動詞でmeet withと使います。

 

理由その4:SVOとSVCの違いが分かりづらい

 

自動詞と他動詞の見分け方が難しい4つ目の理由はSVO(Oは目的語)の文型なのかSVC(Cは補語)の文型なのかが見分けづらいということです。動詞の後に名詞が来たら目的語、というわけではないんです。これは具体例で考えるとわかりやすいです。

 

まずはSVOの文型。

 

I like math.

 

これは「好きだ」という動詞に対して、何が好きなのかという答えがすぐ後ろに来ていますよね。数学が好きだ、というように動詞が求める答えになっているもの、それが他動詞です。

 

それに対してSVCはというと、例えばこんな例文です。

 

I became a teacher 5 years ago.

 

こちらも「become」という動詞の後ろに「先生」という言葉が来ていますね。動詞の後ろにあるから目的語、というのは間違いです。この文は「5年前に先生になりました。」という意味ですが、「私」=「先生」という関係であって、「become」の目的語になっているわけではありません。

 

主語とイコール関係を持つ場合、その動詞は他動詞とは言わず、専門的には連結動詞と言います。

 

これも基本のルールは簡単ですが、数を見て理解していくことも重要なので、例を上げておきます。

 

連結動詞(linking verb)の例
be hungry
feel good
become a lawyer
turn red
appear possible
remain silent
grow dark
seem crazy
sound natural
look strange
taste good
smell funny
stay positive
prove feasible

 

一点注意しておかないといけないことですが、上記にあげた動詞は「連結動詞」としての使い方を紹介しましたが、動詞によっては他動詞の使い方・自動詞の使い方、といったように別の使い方も存在することも確認しておいてください。

 

 

理由その5:目的語を取っているのかいないのかが分かりづらい

 

自動詞・他動詞の見分け方がわからない5つ目の理由は動詞の後ろに目的語を取っているのかよくわからない時です。具体例で考えてみましょう。

 

I was singing yesterday.

 

I was singing “Yesterday”.

 

上の2つの文は並べてある単語は全て同じですね。どちらも「sing」という動詞を使っていますが、動詞の後に来る「yesterday」は目的語なのでしょうか?それとも別の働きなのでしょうか?

 

1つ目の文は「昨日、歌っていました。」という文で「昨日」という言葉は「歌っていました」にかかる副詞の働きをしています。副詞は名詞以外を修飾する品詞です。

 

それに対して2つ目の文は”Yesterday”としていますが、これはビートルズのかの有名な「イエスタデイ」という歌です。この文は「イエスタデイを歌っていました。」という意味の文でsingに対する目的語として「Yesterday」が入っているわけですね。

 

こんなふうに文の意味を考えなければ、目的語なのか副詞なのかがわからないケースがあります。これも自動詞・他動詞の見分け方は難しくする要素の一つですね。

 

 

理由その6:群動詞のケースがわかりづらい

 

自動詞・他動詞の見分け方がわからない6つ目の理由は群動詞の 使い方がわからないからかもしれません。そもそも郡動詞とは何かというと、2語以上のかたまりを作ってできている動詞のことです。4種類の群動詞を具体例で見てみましょう。

 

群動詞その1:動詞 + 副詞(他動詞)

 

Please take off your jacket.

 

「take」と「off」という2語で成り立っていますね。2語以上で成り立つ動詞が群動詞と呼ばれるものです。「take off」で「~を脱ぐ」という意味になる時には何を脱ぐのかを言わないといけないので、「take off」の後に目的語を取る必要があります。

 

ちなみに「take off」は目的語を取る時、「take off your jacket」でも「take your jacket off」でも構いませんが、ジャケットを「it」と代名詞化する時には必ず「take it off」というように動詞と副詞の間に目的語を置かなければなりません。

 

目的語を群動詞の間に置けるのか群動詞の後ろに置かなければならないのかの説明は次の「群動詞その3」で触れます。

 

群動詞その2:動詞 + 副詞(自動詞)

 

The plane took off.

 

ここでも「take off」という群動詞を使いましたが、自動詞としての「take off」には「離陸する」という意味があります。この文は「飛行機が離陸した。」という意味です。後ろに目的語を入れる必要がありませんね。群動詞は自動詞としても使うことができます。

 

群動詞その3:動詞 + 前置詞

 

I’m looking for my key.

 

これが3つ目の群動詞です。ところでこれは群動詞その1で出てきた群動詞と何が違うのでしょうか?

 

群動詞その1は「動詞 + 副詞」なのに対して群動詞その2は「動詞 + 前置詞」です。ここで使い分けのコツとして以下の重要な知識を頭に入れておいてください。

 

前置詞の後ろは名詞!

 

前置詞って「前」に「置」く品「詞」って書きますよね。でも何の前なのかは教えてくれていません。名詞の前に置くということを理解しておくと群動詞その1と群動詞その3の違いが見えてきます。

 

今回例に出したlook forのforは前置詞なのでその後ろに必ず名詞(目的語)を入れなければいけません。なので「look for my key」であろうが「look for it」であろうが、必ず「for」の後ろに名詞が入っています。

 

それに対して群動詞その1でお伝えした目的語の取り方は「take off your jacket」「take your jacket off」「take it off」と動詞と副詞の間に挟むことができましたね。

 

群動詞で使われる動詞の後が副詞の時

間に挟んでも良い

 

群動詞で使われる動詞の後が前置詞の時

前置詞の後に名詞を置く

 

このルールを頭に入れつつ、多読多聴でインプットを増やしていってください。

 

群動詞その4:動詞 + 副詞 + 前置詞

 

I’m looking forward to seeing you.

 

最後の4つ目の群動詞の使い方はこちらです。やはり前置詞が来ている時にはその後に名詞を入れる、というルールなので、これはかたまりをそのまま使ってあげるといいです。

 

ちなみに「look forward to」の後ろには「see」ではなく「seeing」という言葉が来ていますよね。基本に忠実に「前置詞の後ろは名詞」ということが理解できていれば、なぜ「seeing」が来るのかわかるはずです。

 

「to」は今、前置詞として使われているので、その後には名詞をおく。動詞を名詞にしたければ、動名詞の形に変更する。その結果、「see」を「seeing」という形にした、というわけですね。

 

群動詞の理解を深めることで自動詞・他動詞の疑問が一つずつ解決できると思います。

 

まとめ

 

動詞の見分け方はシンプル!

 

他動詞・自動詞の見分け方は目的語を取るかどうか、だけです。ではなぜ他動詞・自動詞は難しいんでしょう?

 

自動詞と他動詞の見分け方が難しい6つの理由

 

ルールとしては単純なのに実際に判断するのは難しい・・・。そこには6つの理由があるんでしたね。

 

理由その1:自動詞・他動詞の両方で使える動詞がある

理由その2:そもそも意味が変わっていなければ判断できない

理由その3:そもそも使い方を目にしたことがわからなければわからない

理由その4:SVOとSVCの違いが分かりづらい

理由その5:目的語を取っているのかいないのかが分かりづらい

理由その6:群動詞のケースがわかりづらい

 

この6つの理由を理解するだけでも自動詞・他動詞の判断はうまくなります。また同時にすぐに完璧に判断ができるわけでもない、ということもわかっていただけたでしょうか?そもそも単語の意味を知らなかったり、使い方を知らなければ判断することもできないということです。

 

自動詞・他動詞の見分け方は英語学習の最初の方で学ぶことですが、最初に学ぶからといって簡単だ、完璧にわかる、ということではありません。むしろゆっくり時間をかけて理解を深めていく重要な項目だと言えます。

 

なので今自動詞・他動詞の見分け方がよくわかっていない人も学習を進め、ゆっくり理解を深めていってください。

 

この解説が少しでも役に立てば嬉しいです。

 

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